2018年09月17日

リタイア後は農業ってあり?シニアの農業起業!

都会で、通勤電車で会社往復の日々だった多くの人が、退職したら自然の中に身を置いて、農業<でも>やろうか、、、などと考えるのは無理ないことだ。 人間は基本的には自然を求めるDNAを多かれ少なかれもっているものなのだろう。 人口密度の高い都会から離れて、大自然の中で土まみれになって野菜を作ってみたい。 自分が作った野菜を誰かに食べてもらいたい。 人の生命にとって一番大切な「食」の部分を担えるなんてとても素敵なことではないか!・・・etc. 別に儲けなくてもいい。 自分が(自分たちが)つましく食べていけるだけの収入があれば十分だ、、と。

その通りだと思う。第二の人生として、素晴らしい考えだと思う。
ただ、思いもかけないところで、思いがけなく躓いて挫折してしまう人も多いので、想定内ならいいが、想定外のことをできるだけ減らすために、希望に胸を膨らませるあなたに、少し私の知る範囲で、現実の農業起業をお話ししようと思う。

普通の慣行農業はあなたが思うほど自然ではない

家庭菜園では、安全でおいしい野菜を採ることだけが目的なのに対して、一般の農業は、収穫量と品質(商品の形や大きさ、味(糖度など))を求めるものである。当たり前のようだが、反当たりの収穫量を増やし、形のそろった上級品を出荷するためには、自然に任せて育てるわけにはいかない。ハウス栽培で温度や水の管理をしたり、肥料や農薬を吟味したり、とにかく、収穫量を増やし品質を安定させることが最優先となる。コントロールされた自然をいかに作り出していくかが、家庭菜園と農業の違いである。 一方、有機農法や自然農法と呼ばれるものは、多くの人が求める自然に近い農法だ。 しかし、農家として一定の収入を得るためには、絶え間ない努力と時間をかける覚悟がいる。


移住して農業をはじめる場合

多くの自治体は、高齢化にともなう農家の廃業をくいとめるため、農業移住する人を手厚い指導や補助金でサポートしている。給料をもらいながら農業を学ぶ場所も数多く存在するので、強い意志があればスタートのハードルはそれほど高くない。

しかし、技術を習得していざ農地を借りて農業をはじめようとしたときに、思わぬトラブルに見舞われることが多い。 田舎は概して閉鎖的である。 外からの刺激が少ない場所が多いので、外からの刺激に免疫がない。 ヨソモノをすんなり受け入れる集落は少ないだろう。 農地は借りても、水を引かせてもらえなかったり、農法について細かく口出しされたり、農協への出荷や道の駅への出荷に制限がかかったり、都会では考えられないような理不尽なトラブルがあり、最終的には理屈ではないということを理解するに至るだろう。 何十年、何百年とその地で引き継がれてきた習慣も多い。 都会の社会通念とは大きく異なる中で、いかに忍耐強く折り合いをつけていくかが、農業とはまったく関係がないが、一番大きな問題になり得るのである。

農家間の習慣では、明文化されていないことも多いので、その場その場で対処していかなければならず、予想外に時間がかかるのである。

虫虫虫

農業というと、農作物に気をとられて忘れてしまうのが、切っても切り離せない虫と害獣。 都会育ちだと、蚊やゴキブリ程度が「虫」認定だろうが、農地では作物にとっての害虫はもとより、無数の種類の虫たちが出没する。ヒタヒタの農薬まみれのハウスの中でない限り、虫は必ずいる。 中にはアブや蜂、ムカデなど毒をもった虫も容赦なくやってくる。 そのうち慣れてくるといえばそうだけど、農家の人でも恐れるマムシなども普通にいるから、こちらは慣れるというような代物ではない。 そのほか、遭遇するかしないかは別として、イノシシやシカ、ハクビシン、モグラ、サルなど、一生懸命育てた農作物を一夜にして食べ散らかす輩もいる。 虫や獣以外も台風や豪雨などによって一瞬で全滅してしまうこともある。農業は忍耐である。

住居や農地の使用料は非常に安い

地方都市で農業を始める場合、都会と比べて魅力的なことは、大きな一軒家でも家賃が3万円から5万円/月というケースが普通であることである。 農地にいたっては、賃貸料はタダであることも多い。 農地として利用していれば耕作放棄地に比べて固定資産税が安く抑えられるという理由もある。 また、土地を放置しておけば、大量の草がはえて近隣に迷惑をかけるので、とにかくタダでも誰かに利用してもらいたいのである。 そういう事情で、当面の投資はかなり少なくおさえることができるだろう。

農村コミュニティーにうまく溶け込めれば農業に集中できる

農業をはじめるからには、自分のブランドをしっかりと確立していきたいと思うのではないだろうか。 農業技術の習得や研究に時間をかけることができれば本望であろう。 しかし、この農村コミュニティーの問題は、その農業にかける気持ちをもそいでしまうくらい大きなものであることをお忘れなく。 ここがうまくいけば、あなたの農業はしっかりと出発点に立てたことになり、もう後戻りすることはないだろう。

以上のことを是非、あなたの想定内として、焦らず、驚かず、怒らずに淡々と処理をして、シニアの起業農家として進みだしてほしい。

あなたが移住したい地域の自治体を調べてみれば、多くは就農希望者へのサポートをしている。 直接自治体に問い合わせてみると、さまざまな取り組みを教えてくれるだろう。
ここでは、農林水産省のHPより「これから農業をはじめたい方へ」というページを紹介しておこう。 日本全国のインターンや、研修機関の情報(リンク)が載っている。また、政府の支援プログラムも載っているので、参考にしていただければ幸いである。

農業を始めたい皆さんを応援します! 農林水産省